味なし毒のお皿β

二代目毒のお皿

眠っている町

ライブの帰りはいつもより帰りが遅くなるから、帰りの自転車から見える景色も音も信号のタイミングもいつもと違う。


今日はすごく静かだ。と思った。橋の上。周りになんにも動いているものはなくて、遠くの風の音とか車の音とかそんなんが橋の向こうの川から聞こえてきた。世界から人がいなくなってしまったのかと思った。店はぜんぶ閉じてて真っ暗だし、駐輪場に止まってる自転車はもう一生そのまま置き去りなんだと思った。

たまにすれ違う車の中には人の気配ないし、おもちゃがブーって動いてるだけなのかも。


私一人が好きだけど、人といるのも好きだよ。でも、好きな人といるのが好きなだけで人なら誰でもいいって訳じゃない。好きなひとじゃない人といるくらいなら一人でいいや。だからこの世界もこのままでいいや。

家に着くまでにすれ違ったのはスクーター乗ったにいちゃんと、サークルKの店員と、無点灯チャリのおっさんだけだった。

家に着いたら華族普通に起きてたし、あした、朝になったらまたたくさんのひとが外に溢れる。